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数値データの扱い方

 次にアナログ信号とデジタル信号で、数値データの扱いに関する違い

を見ていきます。

 様々な電子機器では電気信号が使われますが、ここでは電気の代りに、

水とビーカーを使って数値を扱うものとします。

 アナログの場合、例えば1という値を1ミリリットル(ml)の水で表

します。同様に10という値は10ml、100という値は100ml

となります。1mlと100mlでは水量が100倍異なります。

 

 デジタルでは、例えば1B(バイト)で上位4ビットが仮数、下位4

ビットが桁数を表すという規則で表現する方法があります。このとき、

1という値は仮数部が0001、桁数が0001 なので、'0001 0001'となり、

同様に、10や100は、'0001 0010''0001 0011'となります。ここ

で、1ビット当たり10mlの水で表すとすると、'0001 0001'は、

  1: 0ml0ml0ml10ml

    &0ml0ml0ml10ml

となります。同様に10や100は

 10: 0ml0ml0ml10ml

    &0ml0ml10ml0ml

100: 0ml0ml0ml10ml

    &0ml0ml10ml10ml

となりますので、表現する値によって水の量が極端に違うようなことは

ありません。

 このことは情報の伝達や保存の正確性に大きな影響があります。

 情報を伝達する途中で雨が1ml降ったと仮定します。

 

アナログ信号の場合、

  1:  1ml →雨で1ml増加→  2ml :  2

 10: 10ml →雨で1ml増加→ 11ml : 11

100:100ml →雨で1ml増加→101ml :101

となり、特に1という値は2に大きくに変化してしまいました。

 

デジタル信号の場合、

  1: 0ml0ml0ml10ml

    &0ml0ml0ml10ml

→雨で1ml増加→  1ml1ml1ml11ml

          &1ml1ml1ml11ml

0mlと10mlしかない筈なので、近い値に復元して

     0ml0ml0ml10ml

    &0ml0ml0ml10ml  :  1

 

 10: 0ml0ml0ml10ml

    &0ml0ml10ml0ml

→雨で1ml増加→  1ml1ml1ml11ml

          &1ml1ml11ml1ml

0mlと10mlしかない筈なので、近い値に復元して

     0ml0ml0ml10ml

    &0ml0ml10ml0ml  : 10

 

100: 0ml0ml0ml10ml

    &0ml0ml10ml10ml

→雨で1ml増加→  1ml1ml1ml11ml

          &1ml1ml11ml11ml

0mlと10mlしかない筈なので、近い値に復元して

     0ml0ml0ml10ml

    &0ml0ml10ml10ml :100

となり、少しの雨であれば値に関わらず正しく伝達できます。

つづく