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情報伝達・保存媒体と情報量
ここからは少し、違った話になるので頭を切り替えて下さい。
ここまではコップと水で説明してきましたが、明らかに違う2状態が
あれば、その状態を使ってデジタル値の伝達や保存ができる筈で、記号
や極性などもでもよい筈です。世の中に溢れるデジタル機器ではハード
ディスクの磁気や、Blue-Lay、DVD、CD等の光、メモリの電子など
様々な媒体が利用されています。また、理論値:True/False
や、数字ならば2つあればよいので、0と1なども利用されています。
ところで、デジタル媒体には情報量が明示されていて、16GB等と
書かれていませんか。これはどういう意味でしょうか。
先程の例でコップ1個の水が有る状態と無い状態で一つの情報を表し
ました。この情報量のことを1ビットという単位で表します。1ビット
で伝達・保存できる情報量は非常に僅かなものです。しかし、コップを
増やしていくことで更に多くの情報を伝達・保存できる筈です。
1ビットでは情報量があまりにも少ないので、8ビットを1バイトと
いう単位で表す方法が一般に用いられます。1バイトを1Bとも表記し
ます。
実は1バイトも僅かな情報量にすぎません。そこで、1,000Bを
1kB(1キロバイト)、1,000kBを1MB(1メガバイト)
1,000MBを1GB(1ギガバイト)、1,000GBを1TB(
1テラバイト)と表記しています。
(厳密に言えば、それぞれ1,000倍ではなく1,024倍です。)
複数ビットの情報量(規則という道具)
1ビットで表せる情報量と2ビットで表せる情報量とでは、どの程度
の違いがあるのでしょうか。
例えばコップが1個の場合、水が有/無の2状態を表せます。便宜上
@無=0とA有=1の2状態としましょう。
では、コップが2個あった場合はどうでしょうか。
@両方とも無無=0
A一つは有でもう一つは無=1
B両方とも有有=2、
なので3状態を表せます。何かおかしいですか?
2個のコップが等価(同じ価値)であれば、ここで示した通りです。
この場合、自分がコップ2個で誰かに情報を渡すときに、どのように
コップを渡しても相手は正しく情報を受け取ってくれる筈です。
しかし、2個のコップの価値が違うと考えればもう一状態を表すこと
ができます。例えばコップ2はコップ1の2倍の価値があると考えます。
@コップ1無・コップ2無=0
Aコップ1有・コップ2無=1
Bコップ1無・コップ2有=2
Cコップ1有・コップ2有=3
そのかわり、コップ1とコップ2の価値に関する規則を予め相手と合意
しておく必要があります。例えば、最初に渡すコップの価値は1で2番
目に渡すコップの価値は2です、という具合です。
このことを重み付けと言い、それぞれの価値を重みと言います。
コップを3個、4個と増やしていった場合も、コップを渡す順番毎に
重みが異なり、それぞれ、1,2,4,8の重みがあるという規則さえ
あれば、コップ3個の場合は0〜7、コップ4個の場合は0〜15の値
を表せます。
ここで示したようにデジタル情報を扱う場合は、効率よく扱うために
予め規則が設けられていると思って間違いありません。この規則は扱う
情報によって様々です。
この規則によって効率化できるという性質はデジタル量が持つ重要な
性質で、アナログ量と比較した時の最大の利点と言ってもよいでしょう。
しかし、規則の作り方は様々であり、一言で説明することはできません。
この先を読み進めていったとき、この利点がいかに大きいかが理解でき
るようになると思います。
(一言)
デジタル値は非常に長い数字の羅列になり、非常に見づらくなります。
このため、4桁毎にスペースを入れる表記を用いる場合があります。例
えば、'00000000'を'0000 0000'と表記します。
<つづく>