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ビットで表せる情報

 ここからは、コップの代わりに0と1を使うことにします。例えば、

コップに水がなければ0で、水があれば1だと思って下さい。

 1ビットで何かの情報を表すことはできるのでしょうか。数字の0や

1には数字の意味しかないのでしょうか。数字として扱うならば、その

通りです。しかし、予め昼夜を表すという規則があれば、例えば、0は

夜、1は昼という情報を扱う(伝達・保存する)ことができます。

 もし、5ビットあれば0〜31までを表せます。このうち、0〜23

までが時間の意味を持つという規則があれば、0時〜23時までの情報

を扱うことができるようになります。

 実際にはメール等で文書などの複雑な情報も扱っていると思います。

このために、文字コードという規則が定められています。コンピュータ

など文字を扱う装置には予め文字コードの規則が記憶されているので、

文字を送るときには文字コードに変換し、受け取り側も同じ文字コード

で文字を復元します。例えば、アルファベットのAの文字コードは

'1000001'であるという世界共通の規則があります。これによって文字

コード'1000001'を送信すれば、これを受信したときに文字コードでア

ルファベットのAを意味するということがわかるのです。

 

 ここまででデジタル値を使って複雑な情報も扱うことができることが

わかってきたのではないでしょうか。

 

2進数・8進数・16進数

 ここまでもデジタル値を表すための1手法として、0と1という値を

用いてきましたが、0と1の数が多すぎて人が理解するには扱い辛いと

感じることもあると思います。

 そこで、もう少し少ない文字数で表現できないかを考えます。

 本来、デジタル量の0や1は規則によって個々に意味が変わってくる

のですが、とりあえず、一連の数値として扱ってみます。

 例えば、文字コードのA'1000001'は7桁の2進数として扱います。

 なぜ、2進数かといえば7桁の各桁の値は0か1のいずれかであると

いうことがわかっているからです。

 '1000001'が数値だと思えば、これを10進数でも表せる筈です。

その値は

 1 *2*2*2*2*2*2

 +0 *2*2*2*2*2

 +0 *2*2*2*2

 +0 *2*2*2

 +0 *2*2

 +0 *2

 +1

 =65 となります。

 '1000001'という値が65という値で表現できるようになりました。

 でも、65という数字を見て、それが'1000001'だとわかる人は、殆ど

いないと思います。

 なぜわかり辛いかといえば、2進数と10進数では、桁の繰り上げに

関連性がないからです。

 2進数では、10進数の2,4,8,16,32で桁が繰り上がります。これが、

10進数の桁が繰り上がる10でも100でもありません。もし、繰り上げ

の桁に関連性があれば事情は違います。

 ここで、2,4,8,16,32・・・1024・・・という数字に注目します。

 10進数の65を8進数で表記してみます。

  1*8*8 +0*8 +1 なので、8進数では'101'となります。

 ところで、この値は2進数の'1000001'でした。

 2進数の'1000001'を3桁毎に区切ってみます。

 '1 000 001' です。また、8進数では

 '1   0   1'

 でした。もう、おわかりでしょうか。

    1 1

  000 0

  001 1

 のように2進数から8進数に変換できます。

 2進数:1,10,11,100,101,110,111, 1 000, 1 001

 8進数:1, 2, 3,  4,  5,  6,  7, 1   0, 1   1

8進数が1桁繰り上がる値で、2進数も3桁毎に繰り上がります

 

 もう一歩進めて16進数でと思うのですが、通常の数字は0〜9まで

しかありません。代わりにA〜Fを使います。つまり、

 10進数:1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16

 16進数:1,2,3,4,5,6,7,8,9, A, B, C, D, E, F,10

となります。さて、2進数'100 0001'を16進数で表すと'41'です。

 

  2進数:1,10,100,1000,1001,1010,1011,1100,1101,1110,1111

 16進数:1, 2,  4,   8,   9,   A,   B,   C,   D,   E,   F

16進数が1桁繰り上がる値で、2進数も4桁毎に繰り上がります

 

 このように、もともと2値しかないデジタル値は10進数で表記する

よりも、8進数や16進数で表記する方が便利なのです。

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