調性
通常、一つの曲は主調から始まり、幾つかの転調を伴います。
特定の形式をとる曲では、形式の法則に従って転調されるので、
ここでは、主調と転調後の調の関係を示す用語を紹介します。
調の関係を図で示すとすれば下のようになります。
属 調
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平行長 − 主 調 − (同主調)
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下属調
属調:
主調に対して5度上の調のことを属調といいます。5度上
というよりも、シャープが一つ増える(フラットが一つ減る)
調と言った方がわかり易いかもしれません。
例えば、ハ長調に対するト長調です。
下属調:
主調に対して5度下の調のことを下属調といいます。
例えば、ハ長調に対するヘ長調です。
平行調:
長調に対して3度下の短調、または、短調に対して3度上の
長調のことを平行調と言います。シャープとフラットの数が同
じで、長短のみが異なる調のことです。
同主調
同じ主音を持つ短調と長調の関係を同主調といいます。
しかし、シャープ(フラット)3つの転調が必要であり、一
つの曲の中で同主調が使われることは稀です。括弧書きにした
のは、関係が薄い調性だからです。
さて、調が違うと音楽そのものの性質が変わってきます。
これは例え同じ長調だとしても、楽器の限界音域や音域におけ
る音色等に依存すると言われていますが、作曲家の調に対する
イメージというものもあるかもしれません。
因みに私が持っている調のイメージを書いておきます。
モーツァルトの曲に持っているイメージと言った方が良いかも
しれません。
ハ長調=力強さ、ト長調=控えめな華やかさ、
ニ長調=華やかな力強さ、イ長調=優しさ、
変ロ長調=柔らかさ、変ホ長調=華美