形式
ここではくらっしっくに用いられる主な形式を紹介します。
何も知らないよりも、形式を知っておいた方が曲を容易に理解
することができます。ここでは調性に関する用語を用いますの
で、そちらも参考にして下さい。
ソナタ形式
くらっしっくで最も多用される形式です。
大まかには、(主題)提示部、(主題)展開部、(主題)再現部
の3部で構成されます。
提示部は第一主題・経過部・第二主題からなり、第一主題の
調を主調として、第二主題は属調が用いられます。主調が短調
の場合には、第二主題は平行調の場合が多いようです。また、
転調のために、経過部が必要になります。
展開部では通常、第一主題または第二主題の自由な展開が行
われますが、特別なきまりはないようです。
再現部では提示部が再現されますが、通常、第二主題も主調
になります。
三部構成の前に序奏、後にコーダを伴ったり、第3主題等が
付加される場合もあります。
複合3部形式
メヌエットやスケルッツオで用いられ、中間部にトリオを伴
う3部形式です。
ロンド形式
協奏曲の第3楽章でよく用いられます。
主題+副旋律1+主題+副旋律2+主題の形式です。ロンド
自体には調性に関する特別な規則はないようです。
協奏的ソナタ形式
この説明を始める前に協奏曲の説明をしておきます。
協奏曲は独奏者と呼ばれる楽器の名手がその曲の主体となります。
このため、協奏曲の前には楽器の名前が付きます。
協奏的ソナタ形式は通常のソナタ形式の前にオーケストラだけ
の主題提示部が付いた形式と考えれば大体正しいと思います。
協奏曲の終わりには本来、独奏者が腕前を発揮できるように自
由な演奏を行う部位=カデンツァが付きますが、歴史的に新しい
曲の場合は、この部分も作曲家が作曲してしまった曲が多く存在
します。これは、演奏者が作曲家にカデンツァの作曲を依頼する
ことが多くなったためだと考えられます。